●西村:ではですね。今日で4回目になる訳なんですけれども、ちょっとここで3回目までの復習をしたいと思います。
●平澤:はい。
●西村:1回目と2回目は「通販脳を身につける」ということでしたね。
売れている大手の新聞広告を全部で100面近く見ながら、小さい会社でも年商億を超えるためにはどうすればいいか?
そのフォーマットを作るテクニックを学んでいただきました。
ではここで復習問題です。
大手と小さい会社が根本的に違うことは何でしょうか?
●平澤:一番違うのが、大手は左上に自社のブランドなり、会社のロゴがきている。
●西村:そうやね。
●平澤:それで、機能を「何とか成分!」みたいな感じで一番上に持ってきている、ということですかね。
●西村:そうそう!もう「どや〜!」みたいな感じで主張しているよね。
これが大手の通販会社の新聞広告の特徴でしたね。じゃあ、小さい会社はどうすればいいでしょうか?
●平澤:小さな会社は、「Zの法則」に従って、例えば「限定感」ですとか、「ベネフィット」などが分かりやすくきている点や、最後にオファーをきちんと入れている点。
このオファーも、見込み客が迷わないように、1つしかないように設計されていることですかね。
●西村:そうやね。あとは「ターゲットが明確で、どんな悩みを持っているかが分かる」というのもあったよね。
●平澤:そうでしたね。
●西村:でも、もうしっかり理解しているね。素晴らしい。
1回目、2回目はこんなお話をしてきました。
●西村:次の3回目は、実際的な通販構築のステップとしては2つ目になりますけれども、UVP(Unique Value Proposition)と言う独自のキャッチフレーズを見つける構文を作りましょうということをしてきました。
なんで、これを作る必要があるのかというと、大手なんかは「どや〜!」という特徴だけでいいんだけれども、小さい会社はそれでは全くお客様に響かないからです。
ですから、小さい会社が通販を成功させようと思ったら、独自の価値をストーリーと絡ませて言う必要があるんですね。
この時に大事なのが、自分が言いたいことを言うのではなくて、お客様からの声を元に「○○○にとって△△△になるための×××のサービス」という構文を組み立ていくということでした。
●西村:すでに何か事業や会社の経営をされていて、お客様の声をきちんと取っているという方であれば、これはすぐに取りかかれます。
しかし、今回の平澤さんのように、「個人で事業をやっていて、これまでそれほどお客様の声を集めていなかった」という場合には「楽天やYahoo!など大きなショップのレビューを参考にするのも一つの手ですよ」と、お伝えしたと思います。
ちょっとここで復習がてら、構文についてもう一度説明しますね。
「○○○にとって△△△になるための×××のサービス」のうち、「○○○にとって」というところでまず、ターゲットを明確にしているんだよね。
それで、次に「△△△になるための」という部分が重要で、これはベネフィットにつながってくるんですね。
逆にこの「なるための」にハマっていない言葉をお客様の声から選んでしまった場合、それは「ベネフィットになってない」と言えるので、お客様の声から「なるための」にハマる言葉を選ぶことができると、結果それがベネフィットになっているという訳です。
特徴とベネフィットって意外と頭では分かっているもんなんだよね。
「手に入ること」がベネフィットで、特徴は単なる「言いたいこと」に過ぎないという定義もわかってるんだけれども、そうじゃないということだよね。
「手に入ること」を明確な日本語にするときに「△△△になるための」という日本語にはめる。これが結構ポイントやねん。
●平澤:なるほどね。
●西村:そして、最後の「×××のサービス」という部分は、商品のことを指す訳ではないということを理解しておく必要があるね。
通販は商品そのものを販売しているんだけれども、実は商品そのもののサービスではないということですね。
「早く届く」というのもサービスやし、「お客様への対応がすごく丁寧だ」というのもサービスやし、そういう「商品以外の付加価値は何なのか?」というところを入れていくことがここのポイントやね。じゃあ、今までした話を踏まえて考えてみてもらいことがあります。
この右と左の新聞広告は同じ大手の会社の、同じ商品のものなんだけれども、この2つの決定的な違いって何だと思う?
●平澤:左の方はターゲットが「60歳以上」になっていて、右の方は「女性の髪の毛のてっぺん」という部位を言っている点ですかね?
●西村:そうそう、こういう風に、同じ広告であっても訴求の切り口を、人のターゲットに合わせているか、それとも悩みの部位に合わせているかに分かれていますよね。
この会社はなぜ、同じ商品で違う訴求をしているかというと、どちらの広告にどれくらい反響があるのか? をテストしてるんだよね。
2つの新聞広告の日付はどれくらい違ってる?
●平澤:2ヶ月違ってますね。
●西村:おそらく、1ヶ月テストをやって、残りの1ヶ月は検証に当てているんだろうね。ちょうど2つの広告の日付が2ヶ月ぐらい開いているということは、元々原稿は2つ用意していたと予想できるよね。
●平澤:そうですね。
●西村:1ヶ月広告を打ってみて、もう1ヶ月でその結果を集計して、2ヶ月目にもう一個の原稿でテストしたと考えられるよね。こういった考えが読めれば、今後、右と左どちらの広告が出るかによって、その会社のテストの結果が分かります。
もし右の方が出ていたら、「部位」の訴求の方が効いたということになります。
左の方が出ていたら「ターゲット」の訴求の方が効いたということが分かる訳なんです。
すごいでしょ?
●平澤:はい。そういったことも新聞広告を見ただけで分かってしまうんですね。
●西村:じゃあ、次は新しいステップに進んで、通販構築の6ステップの3つ目にあたる「一言で商品がどうすごいのか?」という商品コンセプトを構築していこうかな。
<売れる通販構築の6ステップ>
ステップ1:通販脳を身につける
ステップ2:UVPの構文を作成する
ステップ3:コンセプトを作成してキャッチフレーズ化に変換させる
ステップ4:ストーリーを作成する
ステップ5:レッドオーシャンから商品ジャンルと競合を決定する
ステップ6:売れる通販フォーマットが完成している
●西村:コンセプトと言うのは「一言で商品がどうすごいのか?」ということなんですが、それをもっと公式化すると次のようになります。
<商品コンセプトの公式>
ターゲット×悩み×部位
●西村:この公式に当てはめて一言にまとめていくのが、通販構築の6ステップのステップ3になります。
じゃあ早速、他社の通販広告を見て、自分がプロデューサーになったつもりで、コンセプトを作ってみて。コンセプト作りの練習をしてみよう。
●平澤:はい。やってみます。
●平澤:今見ている2つの通販広告の中に、西村さんのおっしゃっているコンセプトがそのまま入っている訳ではないんですよね。
●西村:そうやね。大手は「ブランド名ドーン! ロゴドーン! 機能性表示ドーン! どや〜!」みたいな感じで見ている人に「イメージを感じてくれ!」という感じで問題ないんだけれども、小さい会社はコンセプトを入れで見ている人にちゃんと言ってあげなあかんねん。
●平澤:そのコンセプトというのは、先ほどの公式の通り、ターゲットと悩みと部位が言葉として全部入ったものなんですか?
●西村:全部入っていることが好ましいけれども、全部入っている必要はないね。1個入っているだけでもいいし、この3つを総括したうような言葉でもいいよ。
●平澤:一言で言うと…。「髪の毛がふんわり決まると、心まで嬉しくなる」みたいな感じですか?
●西村:それ二言入ってるよね? 二言三言入ってると、説明っぽくなっちゃうからコンセプトとしてはあまりよくないんだよね。
すごく雑多な言い方をするけれども、コンセプトはもっと直感的な言葉であるべきなんよね。見た瞬間に「あ〜なるほどね」みたいな。
擬音語とか擬態語とかを入れてみると良いよ。
●平澤:あ〜なるほどね。
西村:今、平澤さんが考えてくれたコンセプトの中で「ふんわり」という言葉が使われていたけど、「ふんわり」ってなんか直感的にイメージがつくよね。
小学生でもイメージがつくと思うし、40歳ぐらいのおじさんでもイメージつくよね。どんな人がみてもイメージが付くっていうのがコンセプトには大事な訳なんですよ。
今見てもらっている大手の通販会社の新聞広告には「ふんわり」とかが全く入ってないよね? これが大手と小さい会社の大きな差。
大手は「ふんわり」という言葉を使わずに、見る人に「感じ取れ!」とうスタンスの広告だけれども、小さい会社はそれを入れてあげなきゃいけないということやね。
●平澤:うーん。じゃあ「てっぺんふんわり」みたいな言葉はどうでしょうか?
●西村:てっぺんふんわり!それ、いいね!そういうことやね。
てっぺんふんわり、で8割ぐらい完成でいいんやけれども、もう1点「これが一体何なのか?」というのが分かるといいよね。
●平澤:商品が分かるという意味ですか?
●西村:できれば商品というよりは、サービスが分かる方がいいよね。
どういうことかと言うと、大手はここを「育毛剤」と書く訳よね。例えば「てっぺん、ふんわり、育毛剤」のように。
でも小さい会社はそうでない方が良かったりするよね。
●平澤:えっ、育毛剤以外の言葉を使ってということですか?
●西村:そうそう。ちょっと発想を変えると、もうちょっとバックリしたもんよな。育毛剤って商品がはっきりしてるやろ?
●平澤:「てっぺん、ふんわり、ヘアケア」みたいな感じですか?
●西村:うーん。ヘアケアもいいんだけれども、てっぺんという部位が来て、次にヘアケアがきてしまうと、ヘアケアって育毛剤以外も含まれるから、ものすごい意味が広くなっちゃうよね。もうちょっと短く、限定的にイメージできるようにすると…。
「てっぺんふんわりケア」みたいな感じがベスト!
●平澤:あーなるほどね。
●西村:今「あーなるほどね」って言うたでしょ? それがコンセプトな訳よ!
今回お客様にイメージさせたいのは「てっぺんの薄毛をケアする」っていうことだから、「てっぺんヘアケア」って言うと、てっぺんの髪の毛のケアも含まれちゃうでしょ?
だから「てっぺんケア」とすると、それが暗に「てっぺんの薄毛をケアするものなんだ」ってイメージさせることができる訳よね。
そして「それが一体どういうものなんだ?」と言った時に「ふんわり」って言葉があるとよりイメージが明確になってくるでしょ?
●平澤:なるほどね。
●西村:これで「育毛剤」って言う呼称も入ってないよね。でも「てっぺんふんわりケア」というとなんとなく分かるよね。
つまり、育毛剤を育毛剤と売るな! ということなんですよ。
例えば僕がこれをやるなら「60歳以上のてっぺんふんわりケア」ってするね。こうするとよりイメージが明確になって良いよね。
これがコンセプト!
大手はこれを「感じ取れ!」、小さな会社はこれを主張してあげなあかんねん。
これが差やね。
でも、真面目な話、平澤さんはセンスがいいよね。
●平澤:ありがとうございます。
●西村:ちなみに、コンセプトを究極にしたものが、商品のネーミングになる訳なんよね。
せっかくなんで、もう一個やってみる?
●平澤:そうですね。ぜひやってみたいです。
●西村:このプラセンタでもう一度やってみよう。
これは大手だから、プラセンタを「プラセンタ」として売っているんだけれども、平澤さんがこれを通販としてやるには「プラセンタ」って言って売ったらあかんということやね。
ちょっと時間あげるから、やってみてごらん。
●平澤:はい。「飲むだけで、お肌プルン」みたいな感じですかね?
●西村:うーん、それは何だかテクニックだけでやっているような感じやね(笑)
どちらかというとコンセプトと言うよりはコピーライティングに近いよな。
たとえば、美容系であれば、ターゲットの人が「一体どんな悩みを抱えているのか?」それを推測することから始めなきゃいけない訳やな。
この悩みがどの人にも当てはまるような「更年期障害」だったり、「ほうれい線」だったり、になってしまうとコンセプトにならない訳よね。
これが「ある人がこのシーンで感じる更年期障害の悩み」だったら、「あーあるある!」ってなる訳よね。
さっきの育毛剤でも「薄毛」って言ってしまうと、男性も女性も、老若男女すべてに当てはまってしまうんやけど、「電車で女性が座っている前に立っている人からてっぺんを見られるのが恥ずかしいという悩み」のように「ある人がこのシーンで感じる薄毛の悩み」としているから「あーあるある!」というコンセプトになった訳よね。
だから、プラセンタの場合は、「更年期障害だから、プラセンタだよ」じゃなくて、もっと悩みを深く絞り込んでいく必要があんねん。
美容商品って、いろいろな悩みに当てはまるから、さっきの育毛剤よりも今回のプラセンタの方が難易度は高いと言えるよね。
●西村:「美容を美容で売るな!語るな!」って言うことやね。
「悩みに一度変換させて、一人のあるシーンの悩みに深く絞り込んでからコンセプトを作って売れ!」っていうことや。
だから、今回のコンサルティングでは、もしかしたらこの新聞広告のコンセプトを出すのは難しいかもしれんね。
でもここをクリアして、コンセプトを作った商品は、絶対お客さんは買ってくれるよ。美容系に興味がある人ならば、絶対買うと思うね。
逆に、このプラセンタの商品を小さい通販会社が、美容商品として売っても売れない。なぜなら、大手ほど信用がないし、お客さんとしても製品がいいから買うという思考にならへんねん。
そこで、次にそれを「更年期障害に悩む人のためのプラセンタ」と悩みに一度変換させて売ったとしても、ターゲットが広すぎて響かないってことになる訳よね。
その悩みを一人のシーンに深く絞っていくからこそ、響いて買ってくれる訳なんよ。
●平澤:例えば、更年期のある特有の症状を言うとかではだめなんですか?
●西村:そうそう!そういうイメージだよね。でも症状は言えないので、症状と言わずに「ある日常のこういうシーン」とかあるよね。
●平澤:汗かきたくない場面なのに、急に汗が出るみたいな?
●西村:そうそう! そういう感じです。床暖房を入れるだけで、ほてりが止まらずに脇汗が出てしまうみたいな。喉の渇きがどうのこうのとか。本当にそういうシーンを描いてあげなあかんねん。
●平澤:難しいですね。美容商品の通販って。
●西村:そうやね。美容を美容と言っても売れないし。悩みに落とし込んだとしてもせいぜい「更年期障害」くらいしか落とせない訳なんだよね。多くの通販会社が美容商品が売れない理由は、この悩みをさらに絞りきれてないことやろうね。
●平澤:なるほどね。
●西村:実は男性向けの美容商品とかであれば、別にここまで悩みを絞りきらんでも売れんねん。でも女性向けの美容商品となると、女性は通販でモノを購入する時に「安心・安全・信用」と言うのが第一にあるから、会社の知名度とか、信頼性とかが重要になってくるんだよね。
だから大手とくらべて信用の少ない小さな通販会社は、ここまで悩みを一人のシーンにまで絞り込んで行く必要がある訳なんよ。
●平澤:なんか、最近見た男性向けの商品の通販広告の中で、全然知らない会社なんですけど、大手と同じような広告の打ち方をしていて、「これ大丈夫なのかな?」って逆に心配になっちゃったんですけど、さっきの話を聞くともしかしたら男性向けの商品であれば、それでも売れてる可能性があるということですよね?
●西村:そうやね。男性脳はどちらかと言うとスペック重視やから、早い話が商品の機能が高ければ売れるんだけれども、女性は男性に比べて保守的な脳をしているから、どんだけ機能が高い商品であっても、安全・安心が第一にあるから、売れないのよ。その会社自体の社会的信用が高くない限りは。
●平澤:そうなんですね。
●西村:分かりやすく言えば、男性はどちらというと○○エンジンよりも×××エンジンの方が性能が優れているとスペックを比較する生き物やし、勝ち負けが好きやから、会社の大小なんて関係ないんですよ。
そういう脳の違いがあるから、男性向け商品を売るのか、女性向け商品を売るのかで、コンセプトの作り方は大きく違ってくるよね。
●平澤:たとえば私が女性向けの通販を立ち上げたいと思ったら、お客様の声を楽天やYahoo!から20件集めて、「○○○にとって△△△になるための×××のサービス」というUVPの構文を作成する。
そこからさらに、悩みを一人のシーンに絞って、コンセプトを作り出すという作業を行う必要があるということですよね?
●西村:そうやね。何度も言うけれども、美容系の商品で通販をやりたいのであれば、一度悩みに置き換えて、それを「あるある!」って言うシーンに絞り込んでからコンセプトを作るということがポイントやね。
●平澤:例えば「電車の窓にうつった自分の顔を見て…」みたいな感じに絞り込むって言うことですよね?
●西村:そうそう! 今回もバッチリ理解してくれたみたいで嬉しいなぁ。
じゃあ、今回のコンサルティングはここで終わり。
●平澤:ありがとうございました。
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