通販脳を身につける【2】

通販脳を身につける
前回「2つの大手の新聞広告を中小のやり方にするにはどうすればいいか考えて来て」と西村から課題を出された平澤。その課題の発表、そして答え合わせから2日目のコンサルティングがスタートする。

●西村:今回は前回の宿題の確認から始めよう。
「もし大手の新聞広告を中小のやり方(通販のやり方)にするためにはどうすればいいか?」という課題だったよね。

早速平澤さんの考えを聞いていこうかな。

●平澤:はい!
通販脳を身につける

●平澤:1枚目のハウスメーカーの広告は、次の3つのような工夫をすれば中小のやり方に変えられると考えました。

①「あなたの少女時代の夢、この家で叶います」というコピーを追加
②下記様なチェックボックスを設けて奥さんの願望を書く

 □ ガーデニングが好き
 □ 家族が集まるリビングにしたい
 □ 住環境を充実させたい

③「資料請求していただいた方には魚沼産コシヒカリをプレゼント」のようなオファーを追加する

●西村:なんで、魚沼産コシヒカリ?

●平澤:ターゲットの奥さんって、きっと家庭を大事にしている方の方が多いのかなぁと思いまして…。
そういったオファーをつけてみたら資料請求が増えるんじゃないかと思いました。

●西村:なるほどね。後で点数言うから、もう1枚の方にいってみようか。
次は寝具の広告やね。

●平澤:2枚目は次の3つの工夫をすれば、大手のやり方から中小のやり方に変えられると思いました。

①子供のための枕ということをアピールするために「子供の眠りがスポーツの道を切り開く」というコピーを追加
②商品のオファーが3つあるので、1つに絞る。
③Zの法則上にビフォーアフターのように掲載されているプロ野球選手の写真を、もっと分かりやすくする。「この枕を使って寝たことで、こんなに自分は成長しました」みたいな、もっとリアリティのある写真に変える。

●西村:素晴らしい!よく考えたね。
では、点数を発表しますね。

●平澤:・・・

●西村:星2つです。

●平澤:えーっ! 前回の学んだ内容は漏れなく見たつもりだったんですが…。
何が足りないんですか?

●西村:2つともいい線いってるんだけど、どちらも大事なことが1つ抜けてるんですよ。

●平澤:それは前回やった内容ですか?

●西村:いえ、やっていない内容です(笑)

実は、考えてくれた2つの回答からは、マーケティングの大前提が抜けちゃってるんですよ。

さあ、それは何でしょうか?

●平澤:えー、何だろう…

●西村:じゃあ一つヒントを出しましょか。

人は「み○○」「し○○○○」「こ○○○○○○」がヒントです。
●平澤:うーん…

●西村:正解は、普通の人は「みない(見ない)」「しんじない(信じない)」「こうどうしない(行動しない)」ということなんですよ。
君も新聞読むとき、広告って読み飛ばすでしょ(笑)

だから、通販広告はまず「見ない」という壁を突破してもらわない限り、見てももらえないというワケですよ。
新聞広告に1000万円もかけてるのにね(笑)

見てもらえた次は「信じない」の壁、最後に「行動しない」の壁を突破してはじめて資料請求されたり、商品が売れたりするワケよ。

●平澤さん:あー! なるほど!

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●西村:さっき答えてくれた内容は、どちらとも見込み客が「行動すること」が前提になっているんだよね。
まずは「見ない」の壁を突破しないと、せっかく新聞広告に1000万円かけても、見て貰えないからね(笑)

●平澤:どうしたら「見ない」壁を突破することができるんですか?

●西村:それは「ギャップ」を作ることだね。

●平澤:ギャップ…?

●西村:後でまた、もう一度分かりやすく説明するけどね、
「ギャップ」というのは、分かりやすく言えば「えーなるほどね!」ってやつですよ。

たとえば、常識的に考えたら、通販のターゲットは広い方が売れると思っている人が多いでしょ? ターゲットが広い方が見込み客の母数が多くなるからね。
でも実際は、1億円売り上げるためには、一人のターゲットだけでいいんですよ。

●平澤:えーなるほどね!

●西村:コレ聞いたら「えーなるほどね!」ってなるでしょ。
この「なるほどね」から初めて人は見てくれるようになるんですよ。

まぁ、今は対面だから、ギャップを使わなくても見てくれるし、信じてくれるかもしれへんのやけど、通販の場合、普通はお客さんと会わないでしょ?

かといって大手のようにネームバリューもない。
だからこそ、僕らみたいな小さい通販会社が成功するためには、この「ギャップ」作りに全力投球しなきゃダメなんです。

●平澤:じゃあ、私の考えてきた答えには、この「ギャップ」が入ってなかったんですね。

●西村:そうそう! そういうことなのよ!
さっき答えてくれた「あなたの少女時代の夢、この家で叶います」も、「子供の眠りがスポーツの道を切り開く」も、言ってるコトはどちらも正しいんですよ。

でも、それはお客さんにとっては「信じたらそうなるけど〜信じてない段階からそれ言われても〜」って感じになっちゃうんですよ。

僕らのような小さな通販会社が大手の真似をしても失敗してしまうのは、このギャップをきちんと書いてないからなんですね。

通販では、まず見込み客が「信じる」「行動する」前提のコピーじゃなくて、まず「見ない」の壁を突破してもらうギャップをコピーで書かなきゃダメ!

●平澤:そうなんですね!

●西村:しつこいようだけれども、大事なトコだからもう一回言うよ。
通販ではとにかく「ギャップ」を作ることが大事なんです。

通販を成功させるポイント①
人は普通「見ない」「信じない」「行動しない」
まずは「見ない」の壁を突破してもらうために「ギャップ」を作ることが大切。

●平澤:たとえば、前回見たチラシの中で「ギャップ」が書かれている広告ってありますか?

通販西村

●西村:たとえば、このトレーニング器具の広告みたいに「〜だけで」のようなチラシはそうですよね。
「筋肉をつけたい」と思ってても、ドMチックに、汗だくになりながら、ヒイヒイ息きらしながらトレーニングなんて普通はしたくないですよね?(笑)

みんなどこかで「楽して簡単に筋肉をつけられたら」って思ってるワケです。

だからこういう「〜だけで」という言葉が、お客さんの頭の中にある「楽したい」「簡単に」という脳内SEOに引っかかって、「えーなるほどね!」と見てくれるようになるんですよ。

●平澤:なるほど。言われてみたらそうかもしれないですね。

●西村:1日目のコンサルティングでは「いいチラシ」「悪いチラシ」を沢山見てもらいましたよね。
そして「これは真似しちゃダメ(大手のやり方)」「真似してOK(中小のやり方)」という判別をしてきたと思います。

実は、なんでわざわざ通販脳を鍛えるトレーニングを前回と合わせて2回もやったのかというと、たとえ「いいチラシ」や「真似してOK(中小のやり方)」であっても、ギャップがつくられていない場合が多いからなんですよ。

●平澤:なるほど。

●西村:僕らのような小さい通販会社にしてみれば「いいチラシ」つまり中小のやり方であっても、少し規模が大きすぎるんです。
たしかにこういったいいチラシの真似をすることは出来るんだけれどもね…。

●平澤:やっぱり、新聞の15段広告だせるぐらいの…。

●西村:そうそう。僕らのような小さい通販会社は「15段広告出すから、1000万円振り込んどいて」って簡単にならない会社なんですよ。

「社長、15段広告出すんで1000万円ください」って広告担当が社長に提案したら、
「ちょっと待て、今計算するわ…やっぱ15段は無理や」って会社なんですよ。

だから大事なのは、新聞の中小のやり方の「いいチラシ」をそのまま真似するんじゃなくて、いかにそれを僕らのような小さい通販会社のグレードに置き換えるか?

具体的に言うと、見込み客の「見ない」の壁を突破するギャップをどう作り、どう置き換えるか?
これが実は通販で成功するための極意なんです。

通販を成功させるポイント②
・中小の「いいチラシ」であってもそのまま真似してはいけない。
・見込み客の「見ない」の壁を突破するギャップをどう作り、どう置き換えるか? を考える。

●西村:実はギャップともう一つ、僕らのような小さい通販会社が成功するために大事なことがあるんやけど、何だと思う?

●平澤:うーん…ターゲットですかね…?

●西村:違うなあ。じゃあ一つヒントを出そう。
今回考えて来てもらったマイホームのチラシのターゲットの奥さんは、マイホームを持っていったいどんな気持ちだったかを想像してみて。

●平澤:そうですね…。
「少女時代の夢が叶った」とか「休日が楽しくなった」とか「夫がガーデニングを手伝ってくれるようになった」とかですかね。

●西村:そうだね。
その3つのくくりは何だと思う?

●平澤:マイホームを買って得られた結果どうなる…ってことですかね(汗)

●西村:それをもっと難しく言うと?
「べ」で始まる言葉です。

●平澤:そうそう! 
マイホームを買った結果「夢が叶う」「休日が楽しくなる」「夫がガーデニングを手伝ってくれるようになる」というベネフィットが手に入るというワケですよね。

強いて言うなら、おそらくその3つは確かにマイホームを買った結果得られたベネフィットではあるんやけども、奥さんが本当に望んでいるベネフィットではないよね。
それ言われても別にマイホーム欲しいと思わんよね。間違いではないけど、ちょっと弱いのよ。

●平澤:確かにその3つだけで「マイホーム買おう」とはならないですね…。

●西村:そうでしょ。
実はマイホームを持ちたいという気持ちは、意外と男の人よりも女の人の方が強いんですよ。

だから「マイホームを買ったという優越感」こそが奥さんにとって強烈なベネフィットになるわけなんですよ。

このように、ギャップを入れて、さらにベネフィットを伝える。
これが僕らのような小さい通販会社が成功するための極意なんです。

●平澤:ギャップ&ベネフィットですね!

●西村:そうだね。
あと、もう1点つけ加えると、今回考えてきてくれた回答の中に「資料請求して頂いた方には魚沼産コシヒカリをプレゼント」っていうオファーがあったじゃない。

一応そういったオファーも書くんだけど、さりげなくやるのがポイントね。
あまり書きすぎると逆にお客さんが怪しんで逃げてしまうからね。

通販を成功させるポイント③
・この商品・サービスを購入するとどうなるか? 「ベネフィット」を提示する。
・ギャップを入れて、さらにベネフィットを伝える。
通販西村

●西村:せっかくギャップアンドベネフィットを学んだから、ちょっと最初に取り上げた2枚の新聞広告でギャップアンドベネフィットを作ってみましょう。

●平澤:はい。やってみます。

●西村:どうかな?

●平澤:うーん。最初のハウスメーカーの新聞広告には、
「2LDKのマンションと同じ金額でマイホームが手に入ります」とか…?

●西村:それだとベネフィットだけで、ギャップが入ってないよね。
たとえば、首都圏でマイホームが持てるなんて普通思わんよね。
そんな見込み客の常識を覆して「でもウチは首都圏でマイホームが持てるんです」って言えばギャップになるよな。

もちろんそのマイホームがどういったものかを見なければいけないんやけれども、考え方としてはそういうことやんな。

●平澤:そうですね。

●西村:ギャップを考えるポイントは、見込み客の常識を考えて、それを否定するコト。
それも見込み客の頭の中にある言葉、すなわち脳内SEOに引っかかる言葉で否定するのがポイントなんだよね。

たとえば「首都圏でマンション並の価格で庭付き一戸建てが買えたらすごくないですか?」みたいな感じやな。

●平澤:なるほど。

●西村:大事だから何度でも言うけれども、
僕らのような小さい会社にとっては、中小のチラシを真似しただけでは成功できないわけよ。

それをもう少し、僕らガセ以降できるように規模を小さくしてあげる手法が「ギャップ&ベネフィット」なわけ。そのギャップ&ベネフィットを作り込む時に大切なのが、ターゲットを一人に絞り込むコト。

とにかく一人目がけてメッセージを伝える。これが大切ね!

じゃあそれを意識して、もう1枚の「枕の広告」でギャップアンドベネフィットを作ってみよう。

●平澤:「練習がスポーツで一番大切だと思っていませんか?」みたいな?

●西村:いいね!!
もう一つギャップを作るポイントを挙げると、
ギャップを作るときには、必ず最後に「答え」を出してあげなきゃいけない。

いわゆる落としどころってやつね。

●平澤:練習がスポーツで一番大切だと思っていませんか? 
でも実は睡眠が大切なんです…みたいな感じですか?

●西村:そうそう! そういうことだね。

「スポーツバカになることだけがスポーツがうまくなる近道だと思っていませんか? 実は違うんです。寝る事がスポーツがが上手くなる一番の近道なんです」みたいな感じにギャップとベネフィットを提示してあげるとめっちゃリアリティあるでしょ?

●平澤:ギャップ&ベネフィットってスゴイですね!

●西村:「通販はギャップ&ベネフィットだ!」みたいなね(笑)
でも、こうやって考えると通販って面白いでしょ?

●平澤:とっても面白いです。

●西村:しかもこのギャップ&ベネフィットを何も自分で1から作れって話じゃないんだよ。
結局は大手や中小の売れてるところから真似して、切り口を変えてるだけなんだよね。

商品への入り口として、ギャップ&ベネフィットがあるから「あーなるほどね!」って全然見方が変わってくるワケですよ。

通販はギャップ&ベネフィット!
これが今回一番覚えておかなきゃいけないコトね。

通販を成功させるポイント④
・ターゲットを一人に絞り込み、その人の頭の中にある常識(脳内SEO)を否定することでギャップを作り出す。その上で商品を買った後に得られるベネフィットを入れるのが通販の極意。

●平澤:だいぶ通販脳を理解することが出来てきました。
ありがとうございます。

●西村:じゃあ、僕の持ってきた広告の表、裏を見てもらって、ギャップ&ベネフィットを作ってみようか。

まず見込み客の頭の中にある常識、つまり脳内SEOにある言葉を使って否定する。
これをやってみよう。

通販

●平澤:はい。

●西村:ちなみに、考えるときのポイントは「誰」というターゲットを考えること。
なぜなら、一般的に通販は物を売るものだと思われているけれども、最終的には「人」を売らなきゃいけないから。

たとえば「体がだるくて・・・」といったリアリティのあるターゲットを考える必要があるってこと。

そのリアリティが、その人たちの脳内SEOにあたるわけやからね。
ちなみに、1つ目の大手のチラシの商品は売れてるんだけど、なんでダメだと思う?

●平澤:機能を推してるから?

●西村:それも合ってるんだけど、このチラシには人が入ってないよね?
大手のチラシは基本的に人にフォーカスが当たってないんよね。

大手の広告は商品にフォーカスが当たっているのが一般的。
中小は人にフォーカスを当てなきゃいけない。

この物を人に変換するというのが、大手のやり方を中小のやり方に変える一番基本的な方法であり、今日の通販脳の講義の最大のテーマだったよね。

そのターゲットとなる人が「えっ?」となるようなギャップアンドベネフィットを考えるわけよ。これが大手の商品を中小が、もしくはそれよりも小さい通販会社が売るための秘訣なわけよね。

●平澤:そうですね。

●西村:じゃあ僕から一つ質問。この一枚目のチラシは誰がターゲットでしょうか?

●平澤:ターゲットは、私みたいな人?

●西村:違うんですよねー。

●平澤:え、私みたいに「おやつ食べたいけど…」みたいな人じゃないの?

●西村:おやつ食べたいは合ってるんですよ。
ただそれだけじゃないかもしれません。

●平澤:年齢がもっと若い感じってことですか?

●西村:そう、その広告だけでターゲットが若いということが、分かるはず。
20代かもしれないし、30代かもしれない。はたまた、40代かもしれないし、50代かもしれない。そこでみんな判断を誤ってしまうわけですよ。

なぜターゲットが若いということがこのチラシから分かるのでしょうか?

●平澤:なぜか・・・? 写真の人が若いから? この人で分かるってことですか?

●西村:ちょっと違うけど、いい狙いだよ。

●平澤:「一箱食べきっても・・・」って言う所ですか?

●西村:それもそうだけど、ちょっと違うな。もっと決定的なものがあるよ。

●平澤:えー、食物繊維?

●西村:違うんだなー。
でも一つ言えるのが、ターゲットが「女性で働いている人」だってことは分かるよね。
もうちょっと探してみて。

●平澤:えー。どこから分かるんですか・・・?

●西村:二カ所から分かるよ。

●平澤:えー、二カ所から・・・(笑)

●西村:めっちゃ気になるよね(笑)
一つヒントを言うと、大手は中小と違って物にフォーカスしているから、チラシも物に意識を向けることでターゲットが見えてくるよね。

通販脳

●平澤:スティック状になっているから、どこでも食べやすいとか…?

●西村:良い線ついてるけど、ちょっと違うな〜。
実はターゲットの人がこのチラシを見て「あ、これ私のことだ」と思う2つの物がこのチラシの中にあるんですよ。

もっと詳しく言うと、このチラシのターゲットは20代〜30代の独身女性です。

●平澤:えー、このチラシだけでそこまで分かっちゃうんですか?
じゃあやっぱり「食物繊維」とかですか?

●西村:それは文字だから読まなきゃいけないよね。
前にも話した通り、人には「見ない」「信じない」「行動しない」の壁があるから、読んでる時点でもうそれはそのチラシに心が奪われた後ってことだよね。

今回はそのもっと手前、20代〜30代の女性に「あ、これ私のことだ」と思わせる段階だよ。

●平澤:えー、何だろう…バナナ?

●西村:そう! 実は、答えはバナナなんですよ。
コンビニとかで売ってるバラ売りのバナナ、あれ一体誰が買ってるか見た事ある?

実はあれはOLの女の子たちが買って行くわけですよ。
バナナダイエットとかが20代〜30代の独身女性の間でめっちゃ流行ってるからね。

普通、結婚している奥さんが朝にバナナだけ食べなさいなんてことは言わないよね? バナナとヨーグルトだけっていう朝ご飯を食べなさいなんて言わないよね普通(笑)
意外かもしれないけど、そういうことなんですよ。

あと、もう一個の理由がこのスティック型の商品写真。中開けたら、商品が6袋に小分けされていて、朝も食べて、夕方も間食できる。
だからこれはもう完全に20代〜30代のOLさんが「朝会社に行く前に2袋食べて、昼に2袋、そして小腹が空いた時におやつとして2袋食べる」ことを狙った商品ですよ。

●平澤:なるほどね〜。

●西村:「甘いもん食べたらあかんけど、カロリーないからいいよね」みたいな欲求の人たちがターゲットなんですよね。

●平澤:なんでそのことを文字で書かないんですか?

●西村:大手だから、書かないんですよ。
大手は商品を新発想する時に朝の情報番組や流行を参考にして、それに合わせてくるんですよ。今は糖質ゼロ、昔はバナナダイエットみたいにね。

●平澤:私だったらきっと「お腹いっぱい食べられる」とか色々書いちゃうと思うんですよね。

●西村:大手なので、そこまで語らなくても売れるから、必要がないんですよね。

●平澤:語ってもいいんだけど、あえて語ってないってことですか?

●西村:売れるから細かいこと書かんでもええやんってことですよ。
語ろうとするとターゲットだったり、人の研究をしなきゃいけない手間が発生するしね。

●平澤:企業イメージとかもありますもんね。

●西村:そうなんよ。大手は「そんな細かいこと描写してどうすんねん」って感じに思ってるんだよね。

一番左上にロゴマーク書いてる時点でその意図が読み取れちゃうよね。
このように、物からターゲットを明確にするとギャップが出てくるわけですよね。

たとえば今の例で言うと、朝食べて、3時のおやつにも食べれる、でも太らない、それをイメージしてギャップを作るわけですよ。理解できたかな?

●平澤:はい。

●西村:じゃあ次は真ん中のチラシだね。ちょっとチラシの裏を見てもらってもいいかな?

●平澤:はい。

通販脳

●西村:これ本当はやったらあまりよくないんやけど、究極のグレーゾーンの例やね。

●平澤:ビフォーアフターって書いてなくて、いい例、悪い例って書いてあるからOKってことですか?

●西村:すばらしい、その通り。これがアンカリングっていう手法を使っている例やね。
アンカリングっていうのはいわゆる読者に想像させる手法。
これは良い例、これは悪い例、としか書いてないけど、読者にビフォーアフターを想像させることを狙ってるんだよね。

これは大手がやる本当にギリギリのラインやね。これをビフォーアフターとうたった瞬間にすぐに商品差し押さえになるね。

●平澤:大手は基本的にこういうことはやらないですよね。イメージが大切だから。

●西村:そうだね。
だからこれはあくまで手法の一つ。これはこうです、これはこうです、でも勝手にこれがビフォーアフターのように見えるってだけ。

●平澤:なるほどね。

●西村:あと、この広告は実はこの手法だけじゃなくて構成が上手くできれるんだよ。どのあたりが上手いか分かる?

●平澤:裏で人がフォーカスされている・・・?

●西村:素晴らしい。その通り。この広告は表が物、裏が人にフォーカスされているよね。
今日の通販脳のロジックでいくと、表も裏も人にするということでもっとより良い構造にすることもできるよね。
じゃあ次で最後。これは裏表共に物にフォーカスされたチラシだね。これのギャップアンドベネフィットを作るとしたらどうなるだろう?

●平澤:うーん。これは、よくありがちなオールワンの商品だから…。
「化粧水、美容液、美容クリーム、手順通りやるのが正解だと思っていませんか? 実はオールインワンだと一個で大丈夫なんです」みたいな感じでしょうか?

●西村:素晴らしい。その通りやね。
今回のコンサルティング内容を簡単にまとめると、
大手や中小の真似ができない僕らのような小さい通販会社が成功するためには、「人にフォーカスを当てて、ターゲットは誰かと考えて、その人が常識(脳内SEOにある言葉)と思っていることを否定して、ギャップアンドベネフィットを提示する」

「広告の構成は表も裏も人にする、そのためにターゲットを1人に絞る」この2つが大切だということだよね。
この2回でだいぶ通販脳になってきたんじゃないかな?

●平澤:はい。今回のコンサルティングで、より深く私たちが目指すべき通販のやり方を理解することができました。ありがとうございます。

通販を成功させるポイント⑤
・人にフォーカスを当てて、ターゲットは誰かと考えて、その人が常識(脳内SEOにある言葉)だと思っていることを否定してギャップアンドベネフィットを提示する。
・広告の構成は表も裏も人にする。そのためにターゲットを1人に絞る

●西村:じゃあ、今日のコンサルティングはここまでやね。
次回はいよいよ平澤さんが今後立ち上げる通販の軸となる「UVPの構文作成」についてやっていくからね。
でも、毎日継続的に新聞の通販の記事を見る習慣は忘れないようにね。

●平澤:はい。ありがとうございました。

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