通販脳を身につける【1】

通販脳を身につける
西村から「新聞を見て気になった広告をPDFファイルでスキャンしておいて!初回コンサルティングで使うから」と言われた平澤。果たしてどんな意図があるのか?その理由を聞くことなく、第一回目のコンサルティングが始まる。

●西村:それじゃあ早速コンサルティングを始めていきますね。ちなみに、PDFでスキャンした新聞広告の現物ってありますか?

●平澤:えっ、捨てちゃいました…

●西村:ごめん、ごめん、言い忘れてたけど、現物の広告を見て今日はコンサルティングしようと思ってたんや。
やっぱり現物見ないとリアリティないやろ?

●平澤:不覚にも広告を捨ててしまいましたので、PDFを印刷してきますね。

●西村:いいよ、いいよ、最近の新聞っていくつかありますか?そこから新しいの探そう。
結局、既存の新聞広告とか折り込みチラシがランディングページ作ったり、自分でチラシ作ったりする時にベースになるからね。

今日やることは次の2つ。

①自分が良いと思った新聞広告を切り出して並べる
②良かった点、悪かった点を言っていく

このトレーニングは僕の通販塾でもやってるからね。
このトレーニングで100発100中で売れる通販広告を見極められるようになるのが、最初のステップ。

●平澤:分かりました! まずは良さそうな新聞広告を探してみます。

●西村:最初は15段広告(※新聞の一面広告のこと)を選ぶと良いよ。紙面の3分2の大きさの広告は見分けるのが難しいからな。

●平澤:あんまり良い広告ないですね…

●西村:そう? ピンと来たので良いよ。ちなみに月曜日は良い広告が多いですよ。週初めでみんな新聞を読むからね。

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●平澤:とりあえず5枚ほど揃えました!

●西村:それじゃあ、一旦これでやってみますか。じゃあ問題。
2つ質問をするので、選んだ5枚の広告をそれぞれ次の①②のどちらかに分類してください。

①大手の通販手法を使った広告。
②中小の通販手法を使った広告。

それぞれに分けて理由も教えてくださいね。

ちなみに、大手か中小かっていうのは会社規模が大きい小さいじゃないからね。
あくまで手法の話、見せ方の話だから。

これが100発100中で当てられるようにならないと通販では成功できない。
まぁ、最初は直感でいいよ。

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●平澤:なるほど…、ん〜…、はい、選びました!

●西村:オッケィ!1枚目は中小の広告ね。なぜ中小だと思った?

●平澤:業界大手のS社の広告ですけど、中小っぽい訴求をしていたので、中小にしました!

●西村:ん〜、理由が抽象的だからダメだね。もっと具体的に「これがダメだから、中小」だと言い切らなきゃダメよ。
たとえば「Zの法則」使ってるとかね。

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人はウェブサイトやチラシを見る時、無意識の内にある決まったパターンの目の動かし方をすると言われています。それをZの法則と言います。
他にも同様の「型」としてFの法則が存在しますが、Fの法則はウェブサイトを見る時、Zの法則はチラシを見る時に使うと良いと言われています。

Zの法則をチラシで使う場合、主に上図の①〜④の部分には次のような項目を記載すると良いと言われています。
今回のようにチラシが大手か中小の手法かを見極めるためには、逆にこの①〜④の部分に次のような項目が記載されているかで判断すると良いでしょう。

 ①数値(顧客満足度・モンドセレクション金賞など)
  ターゲットメッセージ(実際の声で悩みを書く・部位には、目立つように)
 ②ターゲットモデル(目線は内側を向かせて、吹き出しを出す)
 ③商品画像(登場感・売れている感を出す)
 ④返金保障(3つの特徴『日本製・5つのフリー・返金保障など』

●西村:ちなみに一枚目は大手。なぜなら、Zの法則を使ってないからね。

●平澤:ん〜大手と中小の基準が分からない…。

●西村:大手のやり方をしているか、していないかだよね。
広告費が200〜300万円あるならこういう見せ方しても良いけどね。

それじゃあ2枚目は?

●平澤:大手です! 「Zの法則」を使ってません!

●西村:正解! でも、もう1個理由があるんよね。続きは後で解説します。じゃあ3枚目は?

●平澤:広告の枠が小さいから、中小…?

●西村:結論から言うと大手です。理由は後で言いますね。
4枚目は?

●平澤:広告が中小っぽいから、中小?

●西村:結論は大手! はい、最後5枚目は?

●平澤:特徴しか伝えていないから、大手?

●西村:違う、中小だね。

じゃあここからアドバイスしていきます。
まず、平澤さんが言っていることはほとんど主観だよね。
他の人が見た時に再現性がない。
誰が見ても「そうだよね」という答えじゃないとダメね。

慣れてくると「ここがダメですね」というポイントが素早く分かるし、その理由もちゃんと説明できるようになるから、安心して。

ちなみに大手通販広告の手法のポイントを伝えます。
ここ重要だよ。

大手通販広告だと判断するポイントは「特徴、権威」の2つの要素を前面に出していること。

特徴とは「商品をそのまま説明していること」

たとえば、ダイエットサプリなら大手通販広告の場合は「ダイエットサプリです」で終わり。
中小なら「このダイエットサプリを飲んで、スッキリすると彼氏が喜びます」とか、分かりやすいベネフィットを伝えていることが多い。

権威は「ロゴや有名人、会社の実績のこと」

大手通販広告は会社のロゴが左上に入っていることが多い。
大手はロゴ見せれば一発で信用させることができるもんね。

もう1つ、見分けるポイントは有名人の有無。
ターゲット層が好きな有名人が使ってたら、それだけで買う理由にもなるからね。

どう? これでだいぶ整理できたやろ?

●平澤:なるほど! そうですね、そうすると、2枚目は大手広告ですね!
ロゴも入っているし、会社の実績も入っている、権威性をうたっていますね!

●西村:そうそう! じゃあ4枚目は?

●平澤:「お肌に弾力が付くから、小じわが目立たなくなる」…特徴だけでなく、ベネフィットも伝えようとしているから…中小?

●西村:そうそう、だから中小!

●西村:じゃあ3枚目はなんで大手だと思う?

●平澤:成分の説明しか言ってないから?

●西村:そう! 成分の説明しかしていないから大手だね。
じゃあ、改めて5枚の広告をそれぞれ中小と大手の広告という観点からまとめてみます。

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大手と中小の通販広告を見分けるポイント

【中小】
Zの法則を使っている
説明だけでなく得られる効果(ベネフィット)を伝えている

【大手】
大手は左上にロゴを入れる
特徴(商品の説明)と実績を掲載している

●西村:どう? 色々と気づきがあったんじゃない?

●平澤:細かいところばかりに目が言ってましたね。結構ざっくりした基準なんだ。

●西村:話がこんなにざっくりしているとは思わなかったよね? でもまずはざっくりを把握できるようにならないとダメだね。感覚を養うのが大事。
じゃあ、以上を踏まえて、新しく4枚の広告を選んでみよう。
そしてそれぞれ、大手のやり方なのか? 中小のやり方なのか? を答えてみて。

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●平澤:はい、え〜と、1枚目が中小、2枚目が大手、3枚目が中小、4枚目が中小

●西村:30秒あげるから理由を考えてください。
その後に、順番に答えを言いますね。

●平澤: 1枚目はZの法則が当てはまっている。価格と限定性が目立つ。

●西村:中小というのは正解!でも、そのまま使ってはいけない中小の悪い見本だね。

限定性、クイックアンドイージー、魅力的なオファー。
入れないといけない要素は全部入っている。

でも、このテクニックに便り過ぎるとダメ。

通販で売れなくなってくる場合、キャッチコピーとオファーが疲弊している場合が多い。
コピーライティングがうまくなってくるとコピーライターは限定性、クイックアンドイージー、オファーに頼りたくなるけど、テクニックに頼っちゃダメ、売れなくなる

2枚目も正解、大手だね。
理由は?

●平澤:ロゴが左上にある、特徴しかない。

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●西村:そうそう!次、3枚目は?

●平澤:Zの法則になっているから中小。

●西村:そうだね。ちなみに、新聞の通販広告では松竹梅で3つのコースの真ん中を選ばせるという手法はやらない方が良いね。
選択肢が多いと購入率減るから。

これはランディングページでも同じ。
初回の購入では選択肢を多くしない。
フロントエンドは必ず1つにするのが鉄板

選択肢を作るのは初回購入以降。

4枚目の中小企業は正解、理由は?

●平澤:ん〜、Zの法則を使っているから。
あと、広告で購入者の方がストーリーを語ってますね。
中小企業の広告で多いパターンだと思ったので。

●西村:そうだね、新しいパターンだね。この広告は完璧。誰が言うのか、何を言うのかバッチリできてる

ターゲットを明確にしながら趣旨が伝わってるよね。

では、フィードバック終了!
また4〜5つ選んでみて。
あと、今日やった広告もファイリングしといてね。

●平澤:了解です!ちなみに、いけてない新聞広告ってどれくらいあるんですか?

●西村:全体の8割ぐらい、いけてないなー、1000万円も使ってるのに、もったいないよね。

まぁ、広告って会社の考え方もあるけどね。
でも、大きく分類すると。かっこいいデザインか売れるデザインだよね。

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●平澤:なるほど、4枚選びました!
1枚目が大手、2枚目が中小、3枚目が大手、4枚目が中小です。

●西村:オーケー、理由は?

●平澤:1枚目は左上にロゴがあるから。

●西村:正解!

2枚目はちょっと後にしよ。
3枚目は?

●平澤:Zの法則あるから。これは分かりやすいですね。

●西村:正解!
後、「決算大セール」って言葉を使って時流に乗っけてるね、今だったらハロウィンかな。

次、4枚目は?

●平澤:Zの法則になっている。

●西村:正解だけど、この広告は真似しちゃいけないね。
「すごい、本物だった」っていう訴求は情報商材っぽいよね。
物販では胡散臭い言葉はダメ、成熟した業界だからね。

●平澤:確かに「すごい、本物だった」と書かれていても買おうと思いません…。

●西村:社長の品格が問われるね。
さぁ、2枚目だけど理由は分かるかな?

●平澤:これは難しいですね…。なんだろ。

●西村:正解言うと中小。
大手だけど、意識して中小の広告手法使っているね。

●平澤:うん、ロゴ使っていない、特徴言ってない…。

●西村:そうだね、特徴と権威ではなく、何が出てる?

●平澤:あっ、「お客さまの声」が出てる。

●西村:そう!ターゲットに向けた客声が出てる。S社としては最大限譲歩したやり方だね。ロゴどーん、コピーどーん、大手のやり方を一切やってない。
中小で大手のやり方、大手で中小のやり方をしている

●平澤:こんなやり方もあるんだ。

●西村:さぁ、今日はここまでやな。
これ覚えると広告とチラシの見方変わるでしょ?

●平澤:はい、見方が変わりますね!

●西村:どんなことが勉強になった?

●平澤:中小のやり方? に少し違和感があったんですけど、今日のワークを通して自分が目指すところが明確になりました。後はテクニックに溺れてはいけないというのも重要ポイントかな。

●西村:うん、後、今日のワークを100発100中でできるようになると、ライティングとかデザインをディレクションするときに、一貫性を持って指示できるようになる。

●平澤:はい、復習します、すぐに言葉で出てこないので。

●西村:一言で出てくるようにすると良い、「これが理由で中小、大手」っていう感じにね。1メッセージが基本ね。

●平澤:はい。

通販脳を身につける
※実際の新聞広告は掲載できないため、同じような構成のイラストを掲載しております。

●西村:じゃあ、今日の課題は「この2枚の大手の通販広告を中小のやり方に買えるためにはどうすればいいか?」それを考えてくる事。
はい、じゃあ今日のコンサルティングは以上!

今回の課題

【課題1】
みなさんが前回ピックアップした新聞の通販広告を、今回のコラムで紹介した「中小のやり方」「大手のやり方」に分類してみてください。また、毎日新聞を読む際に、「この通販広告はここがこうだから大手、中小」というように理由をつけて分類してみてください。
【課題2】
次の2つの大手の通販広告を中小のやり方に直すにはどうすればいいでしょうか? それを考えてみてください。

今日の平澤ノート

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ネット通販について動画でも学べます。
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